特性X線で元素定性 島津製作所 分解能大きく向上

島津製作所は1日、優れた操作性を維持しながら、最新型のFE(Field Emission)電子光学系の搭載によって、FE‐EPMAとして世界最高水準となる感度と空間分解能を実現した電子線マイクロアナライザのハイエンドモデル「EPMA‐8050G」を発売したと発表した。

電子線マイクロアナライザ(EPMA)は、細く絞られた電子線をサンプルの表面に照射し、サンプルから放出された特性X線の波長と強度を検出することで、電子線が当たった極めて小さな領域に含まれる元素の定性と定量を行うことができる装置。元素の定性・定量以外にも、サンプル表面のどこにどの元素が含まれているかを解析するマッピングや、含まれている元素の化学結合状態の分析も可能で、SEM(走査型電子顕微鏡)としての機能も併せ持つ。幅広いサンプルを非破壊で分析でき、主として金属や半導体を始めとする様々な材料の研究開発などに用いられている。

この製品は、従来機種で好評を得ていた感度の高さと操作性を保ちながら、電子線を照射する電子銃部分の光学系を変更したことで分解能が向上し、世界最高クラスの感度と空間分解能をそれぞれ実現した最上位モデルとなる。FE電子銃としては極めて大きな照射電流による超微量元素の検出感度向上や、美しく鮮明なイメージングデータなど、圧倒的な分析能力で顧客サポートを行う。

EPMAは大学や国の研究機関での使用が多く、分析の高度化に伴い、年々ハイエンドモデルに対するニーズが高まってきている。また、近年では、金属を始めとする材料分野の分析以外にも、触媒における微小粒子や、鉱物などの微細組織の分析といった用途で用いられることも多くなってきており、生体試料の分析への応用も期待されている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで