日本のエネ政策説明 IAEA総会で山口科技相 再稼働、事故対応など

第58回国際原子力機関(IAEA)総会が22日、ウィーンで開幕した。

山口俊一・科学技術担当相は日本政府代表演説で、原子力が重要なベースロード電源であると位置づけた第4次エネルギー基本計画を閣議決定したことに触れ、今後のエネルギー制約を踏まえ、安定供給、コスト低減、温暖化対策、原子力技術・人材の維持等の観点から確保していく原子力発電の規模を見極めるとした。また現在停止している原子力発電所については、原子力規制委員会が新しい安全基準に適合すると認めた場合には再稼働する方針を述べた。さらに、プルトニウムの適切な管理・利用、原子力委員会の改編、安全性を高めた原子力技術を引き続き国際社会と共有、人材育成・制度整備の面で支援強化についても触れた。

福島第一原子力発電所事故に関しては、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出しや地下水バイパスの実施など今年は具体的な対策を講じることができたと報告。除染ミッション受入れや海洋モニタリングなどIAEAの協力も得ながら取組みが進展しており、今後も国際社会と引き続き協働していくことを述べた。

2015年4月に「廃炉国際共同研究センター」設置の予定や、「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)」締結の意思についても明言、日本が今後とも、保障措置/不拡散、原子力安全、核セキュリティを確保しながら原子力活動を継続していくと共に、原子力の平和利用促進のために貢献する決意を表明して締めくくった。

山口科学技術相は、天野之弥IAEA事務局長をはじめ、E.モニッツ米国エネルギー省長官や、B.ビゴー仏原子力・代替エネルギー庁長官とも会談を行い、各氏から、日本で福島第一原子力発電所事故対応が順調に進んでいることなどについて、歓迎の意が示された。

同会場で行われている展示会の日本ブース(=写真)では、資源エネルギー庁、東京電力、放射線医学総合研究所、日本原子力研究開発機構、原産協会がポスター展示を行った。初日には原産協会ブースで日本酒等の福島物産が提供され、ブースを訪れた各国の参加者に好評を得た。総会は26日まで開催される。


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