ロシアが南アに原子力協力 30年までに960万kW

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は22日、国際原子力機関(IAEA)の第58回総会の開催に合わせて、ウィーンで南アフリカ共和国と原子力産業協力並びに戦略的パートナーシップに関する政府間協定を締結した(=写真)。

2030年までに八基、960万kWの原子力発電設備を新たに建設するという南アの意欲的な政策に協力することで、南アの雇用や産業に少なくとも100億ドル規模の利益がもたらされると強調。将来的にアフリカや第三国における原子力プロジェクトでも両国が協働していく出発点になると強調している。

同社によると、今回の協定によりアフリカ大陸で初めて、ロシア型PWR(VVER)を建設する道が拓かれたほか、多目的研究炉の建設や原子力インフラ開発の支援、ロシアの大学その他の機関における原子力専門家の育成などといった包括的な協力が南アの様々な原子力産業分野に提供される。また、新設計画用の機器製造で広範囲な国産化を実施することにより、南アの幅広いハイテク産業分野で最新の技術と熟練した人材の創出を可能にすると明言した。

南アのエネルギー相も、「国家の経済成長にとって重要な推進力となる原子力開発をかつて無いほど大がかりに進める方針だ」と断言。同協定を通じて、近代的で安全な技術に基づく新たな原子力発電設備が建設されるとともに、南アがロシアの技術や資金、インフラにアクセスする扉が開かれたと評価している。


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