自主的安全性向上にむけて リスク研究センターを設置 PRA活用し総合的評価も 電中研の蓄積活かし

電力中央研究所は1日、事業者による自主的な安全性向上に必要な研究開発の拠点となる「原子力リスク研究センター」を設置した。福島第一原子力発電所事故を踏まえ、事業者が規制の枠組みに留まることなく、持続的に安全性向上に取り組んでいくよう、これまで蓄積してきた関連分野の人材と研究基盤をより効果的に活用するため、センターとして組織化したもの。センターでは確率論的リスク評価(PRA)手法なども活用した総合的なリスク評価にも取り組む。センター長には前米国NRC委員で、PRAの分野で業績のあるジョージ・アポストラキス氏が就任した。アポストラキス氏は同日会見し(=写真)、「リスクマネジメントは一義的には事業者の責任」と繰り返し述べ、センターの役割があくまで事業者のリスク対策をサポートするものであることを強調した。

同センターは、人員規模約110名、企画運営、リスク評価研究、自然外部事象研究の3チーム体制で、実質的な活動は、研究設備のある我孫子地区や狛江地区で行われる。

「原子力リスク研究センター」設置を受け、電気事業連合会の八木誠会長は、アポストラキス・センター長の高度な知見と強力なリーダーシップに期待するとともに、「研究センターの活動を最大限尊重し自らに事業活動にしっかり反映していく」とのコメントを発表した。


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