[原子力産業新聞] 2014年10月2日 第2737号 ＜2面＞

島�ｱ氏「科学が規制の礎に」　規制委退任で会見　大島氏「まだまだ課題が」

任期満了に伴い９月１８日付で退任した原子力規制委員会の島�ｱ邦彦委員（＝写真右）と大島賢三委員（＝写真左）が同日、記者会見に臨んだ。

両氏は、１２年９月に原子力規制行政の立て直しとして発足した同委最初のメンバーとして、新たな規制の枠組み作りや審査に携わってきた２年間の所感などをそれぞれ述べた。

地震・津波関連の審査を主に担当し、サイト現地調査を行うなどした島�ｱ委員は、「体力的にはつらいこともあったが幸せな時間だった」と２年間を振り返った。また、「審査が厳しい」という周囲からの声については、「当たり前のことをやってきた」と応え、委員就任時に述べた「『自然の声』に耳を傾ける」ことの重要性を再度述べ、科学が規制の礎にあることを強調するなどした。

一方、国際協力や核セキュリティを主に担当した大島委員は、「非常に刺激的で貴重な経験だった」と振り返るとともに、国会事故調査委員を務めた経験も踏まえ、これまでの規制行政の立て直しに関し、「骨格ができ軌道に乗り始めたが、まだまだ課題が残っている」などと述べた。また、任期中、国際対話の場に多く臨んできた同氏は、原子力事故の経験・教訓に関し、将来的な新興国への原子力導入も踏まえ、「率直にできるだけ正確に伝えることが日本の果たすべき責任」などとして、今後の規制委員会の国際的プレゼンスに期待をかけた。

翌１９日には、退任する両委員と、残る田中委員長、更田委員、中村委員との共同会見も行われている。

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