超小型の耐電圧試験装置 JAEA 日立製作所 ITER設計に反映

日本原子力研究開発機構は8日、日立製作所との協力により、ITER計画において、核融合プラズマを定常的に維持するために用いる中性粒子ビーム入射装置(NB)の高い信頼性確保につなげる超小型・屋外対応の直流130万V耐電圧試験装置の開発に成功したと発表した。本装置は、ITERに先行してイタリア・バドバのコンソルツィオ・RFX研究所に建設中のNB実機試験施設に納入され、これによる耐電圧試験結果はITER設計に反映される。

ITERのNBでは、プラズマ加熱用の高エネルギーイオンビーム生成のため、直流100万Vの超高電圧直流電源設備を用いるが、各国調達の設備を屋外で組み合わせることから、80mを超える巨大な設備となり、また、信頼性確保のため、設備全体の耐電圧試験を一括で実施する必要もある。

これら要求に対応するため、原子力機構らは、大気中に比べ直流100万Vを保持する距離を短くできるよう絶縁ガス(六フッ化硫黄)を封入した圧力容器内に、耐電圧試験用電源を収納することなどにより、耐電圧試験装置を従来の10分の1程度に小型化するとともに、屋外試験対応を実現した。

今後、本装置は、16年にイタリアに輸送、17年2月から一括耐電圧試験に使用される運びだ。


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