動的X線光学に一歩 SACLAで 高速通信実現に道

理化学研究所と電気通信大学は1日、X線自由電子レーザー施設「SACLA」を使い、X線可飽和吸収の観測に成功したと発表した。

光を物質に照射すると、物質ごとに決まった量が吸収されるが、徐々に光の強度を高めていくと、それ以上物質が光を吸収できなくなる「可飽和吸収」という現象が起こる。波長の長い可視から赤外域の光ではすでに確認されていて光通信技術に応用されている。

今回はX線領域で初めての観測を実現したもので、計算機シミュレーションの性能向上や、X線による高速・大容量の通信手段の実現に道を拓くことになる。また次世代のアト秒X線光学や動的X線光学の最初の一歩となるもので、新たなX線光学素子を開発する技術として期待できるという。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで