バックアップ機器貯蔵施設が完成 米・ノースアナ原発

米国の鉄筋コンクリート製・防災ドーム建設業者であるABCドームス社は23日、福島第一原発事故の教訓を反映した緊急時用バックアップ機器の貯蔵施設(=写真)がバージニア州のノースアナ原子力発電所サイトに完成したと発表した。

同施設は直径約37m、高さ約12m、敷地面積が966平方メートルというドーム型で、同原発を保有するドミニオン社が昨年9月に発注した3つの貯蔵ドームの最初の1つ。エンジニアリング・システム・ソリューションズ(ES2)社の設計により、ABC社が同業のドーム・テクノロジー社と共同で建設した。

米原子力規制委員会(NRC)は福島第一原発事故後、想定外の外部事象による影響緩和戦略の具体的要件を事業者に指示。これを受けた産業界は炉心冷却用の水と電源が失われた原発で安全性を確保する「多様かつ柔軟性のある対応能力を備えた戦略(FLEX)」をサイト毎に策定した。その主要策の1つが可搬式発電機やポンプ、蓄電池などをサイトに追加貯蔵しておくことで、常設の安全系やバックアップ機器が作動しない場合に備えて常に使用可能な状態に防護するのが目的。時速580kmの風やミサイル、地震動にも耐え得る堅固な仕様になる。

ドミニオン社の残り2つの貯蔵ドームは、コネチカット州のミルストン原発、およびバージニア州のサリー原発サイトで年内にも完成予定。ABCドームス社ではこのほか、2社の事業者から合計7基の貯蔵ドーム建設を請け負っているとしている。


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