軍用と商用、別処分を勧告 米エネ省が廃棄物処分で報告書

米エネルギー省(DOE)のスタッフは22日、DOEが管理している軍事活動に基づく高レベル放射性廃棄物(HLW)と使用済み燃料(SNF)は、商業利用から出たHLWとSNFとは別の処分場に永久処分することを検討すべきだとDOE長官に勧告する報告書を発表した。

1つの処分場にまとめて処分するよりも、設計や許認可手続きがシンプルになるほか、長期的な隔離性能やコストの点で有利になる可能性に言及。軍用HLWとSNFのために別途処分場を掘削する技術オプションについて、段階的かつ適応性のある同意ベースの開発戦略を開始するよう促している。

「DOEが管理するHLWとSNFの処分オプション評価」と題したこの報告書は、連邦政府と受託業者のチームがDOE原子力局の指示でまとめたもの。政府の有識者特別(ブルーリボン)委員会が2012年1月に公表した最終報告の中に、軍用と商用の廃棄物を一緒に処分する現行政策の再検討を促す項目があったことから、オバマ政権は翌年、処分政策の方向性は今後の分析調査の進展次第だとの対応見解を提示していた。今回の報告書はこうした流れを受けて作成されており、別処分オプションの利点について技術的な可能性や計画上の柔軟性を評価する内容。規制面や法制上の評価は含んでいない。

別処分オプションの分析の中でも報告書は特に、廃棄物の温度や化学特性、核分裂性の質量負荷などにより、DOEの軍用HLWとSNFをさらに分別する例を提示。例えば、温度の高低でSNFを分類した上で、原子力船等からの冷たいSNFをHLWと一緒に処分することには利点がある、などとしている。


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