九州電力 瓜生社長 「経営トップが主導」し取組み 規制委と意見交換 「知見、教訓学び続ける」

原子力規制委員会は10月29日、九州電力の瓜生道明社長らと意見交換を行った(=写真)。安全性向上に関する取組状況について、事業者の経営トップと公開の場で話し合うもので、今回、初の開催。今後、月1回のペースで行われる。

開会に際し、田中俊一委員長は、福島第一原子力発電所事故の教訓に立ち、13年7月に施行された新たな規制基準に対し、事業者からの申請を受け進めている適合性審査の状況に触れながら、「原子力の安全確保は第一義的に事業者にある」として、安全文化醸成などの取組について、経営責任者との意見交換を行う意義を述べた。

九州電力の瓜生社長は、「経営トップが主導するリスクガバナンス」の枠組みのもとで、自主的・継続的に推進する(1)安全文化のさらなる醸成(2)リスクマネジメントの強化(3)地域の皆様とのコミュニケーションの充実(4)原子力発電所の安全性向上――の取組状況を説明した。その中で、経営トップとして、全社員に伝えている「私の思い」を披露し、現場第一主義、人材育成と厚みのある体制強化、質のあるリスクマネジメントなどに加えて、不確実性の高い自然災害、シビアアクシデント対策、確率論的リスク評価(PRA)について、最新の知見や教訓を学び続ける必要を述べた。

これに対し、更田豊志委員が、将来の不確かなリスクに対する投資を現在行うことの決断について尋ねると、九州電力側は、確率は低くても影響が大きいことについては、「無視できない」として、企業価値の向上にもつながるよう、最もモチベーションの高い手法を取り入れていく考えを述べるなどした。

さらに、九州電力は、事業者側の自主的な安全性向上の体制に関し、原子力安全推進協会のピアレビュー活動を通じ、「事業者同志が切磋琢磨していく」必要をあげたほか、規制制度の改善については、「今は審査を受けている立場から言いにくいが、今後運用していく中で色々と提案していくこともあるかもしれない」などと述べた。


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