チェコの深地層処分場建設計画 候補地の地質調査開始を承認

チェコ政府・環境省が10月24日付けで、原子力発電所の使用済み燃料と高レベル放射性廃棄物(HLW)の最終地層処分場建設候補となっている7地点すべてで初期段階の地質調査実施を承認していたことが明らかになった。1990年代から進められてきた地質の研究ステージを2000年代初頭に終え、サイト選定作業は(1)研究(2)調査(3)詳細調査―の3段階に区切った地質の調査ステージに入っている。環境省の承認が有効になり次第、放射性廃棄物処分庁(SURAO)は2050年の着工、65年からの操業開始を目標に各地点で処分場建設適性評価の準備作業を開始する。

ドコバニとテメリン、2つの原子力発電所で合計6基が稼働するチェコでは、これらの既存炉、および将来的に建設される新設炉からの使用済み燃料とHLWを安全に管理するには、深地層で最終処分するのが技術的および経済的にも受入可能な唯一の解決方法と判断。地震活動のない安定した花崗岩、もしくは変成岩の一種である片麻岩の岩盤中に埋設することを検討している。

現在の計画によると処分場は総面積29.5ヘクタールの地上エリアと地下500mの処分エリアで構成されており、地上には廃棄物を取り扱うサービス建屋や鉄道分岐線などを建設(下図参照)。処分エリアには換気シャフトやトンネル、廃棄物が封入された容器を置く処分室などが整備される。

サイトの選定作業では廃棄物の隔離能力など岩盤特性に関する要件に加え、住民の受容性や利害の対立、地上施設建設の技術的可能性、サイトへのアクセスといった要件を満たすことに主眼を置いたという。地質研究所が複数の地質条件に基づき90年代初頭に提案した27地点の中から、原子力研究所は98年までに潜在的に最も適した13地区を選定。地層情報の収集と分析を通じて5地区に絞ったが、SURAOは2000年代初頭、国際原子力機関(IAEA)勧告に準拠する更なる地域研究により、新たな基準を満たした11地点を特定していた。

その後、2009年までに最も適性のあるとして選定した6地点に加え、かつての軍事エリアの中から1地点を追加。今回の承認を受けて、これら7地点で地表の計測や岩盤の健全性、データ収集、岩盤試料の採取といった地質調査ステージ・初期段階の作業が開始されることになった。具体的には、これら各地で深さ800〜1000mの穴を掘削する適地を特定するため、詳細な地球物理学的・地球科学的地図や地質地図を作成。作業が出来るだけ早急に始められるよう契約業者の選定もすでに進んでおり、2015年内にメインとサブの候補地2地点を絞り込む計画だ。

なお、これらの地点に存在する40の自治体は年間7200万コルナ(約3億6000万円)にのぼる法定基金の中から、調査期間中を通じて補償金を受領する権利を取得。関連法規に従って、作業に関するすべての情報が伝えられることになるほか、作業を監視することや作業手続きにコメントし、介入する権利も与えられるとしている。


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