議論の中間整理を行う 総合エネ調原子力小委 「原子力の役割大きい」

総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は13日、新たなエネルギー基本計画の具体化に向けた6月からの検討状況について、中間整理案を示し議論を行った。

中間整理案ではまず、エネルギー基本計画で、福島の復興・再生を全力で成し遂げることが、「エネルギー政策を再構築するための出発点」とされていることを踏まえ、「東電福島第一原発事故の教訓」が項目にあげられ、事故の再発防止や廃炉・汚染水対策などについて述べられている。

続いて、「世界における原子力の位置付け」との項目が立てられ、日本のエネルギー需給構造が抱える課題から、「燃料備蓄が容易な原子力発電という選択肢を保持することで、エネルギー源の多様性を確保することは、エネルギーセキュリティを高めるためになくてはならない」とうたわれている。さらに、世界の原子力利用が拡大する中、事故の経験と教訓も踏まえ、安全性を高めていくことは、「事故の当事国であるわが国の責務」との認識を示し、国際的な核不拡散体制の強化も考慮し、エネルギーミックスを検討しなければならないとしている。また、地球温暖化問題の本質的解決においても、「運転時に温室効果ガスを排出しない原子力発電の果たす役割は大きい」ことを述べている。

この他、「原発依存度低減の達成に向けた課題」、「原子力の自主的安全性向上、技術・人材の維持・発展」、「競争環境下における原子力事業のあり方」、「使用済み燃料問題の解決に向けた核燃料サイクル政策の推進」、「世界の原子力平和利用への貢献」、「国民、自治体との信頼関係構築」の各項目について、検討状況が整理された。

これに対し、専門委員として出席した原産協会の服部拓也理事長は、世界の環境変化を踏まえ、「国として原子力をやっていくという強いメッセージ」を発信していくよう訴え、技術力の維持、合理的な放射性廃棄物処分の必要を述べるなどした。


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