スロバキア電力の買収意志を表明 チェコ電力

チェコの国営電力会社(CEZ)は19日、イタリア電力公社(ENEL)が保有するスロバキア電力会社の株式66%を購入する意志があることを正式に表明した。

この計画は10年前からCEZが検討を続けていたもので、同社はチェコとスロバキア両国の原子力と水力の発電設備を統合することで、その運転と開発に相乗効果が生まれると期待。その一方で、スロバキア電力によるモホフチェ原子力発電所3、4号機(47.1万kWのロシア型PWR2基)増設計画が遅延している点については、「さらなる分析を実施し、遅れによる負債問題を解決する必要がある」と指摘している。

ENELはイタリア政府が原子力の復活を検討していた2005年、原子力事業の自社ノウハウ強化を目的にスロバキア電力の株式を購入した。しかし、その後グループ内の債務を削減する必要性が生じ、60億ユーロ相当の資産売却計画を昨年から開始。今年7月にはその一環として、スロバキアとルーマニアで所有する資産の売却プログラムを公表していた。

スロバキア電力の発電設備は原子力と水力、および石炭火力合わせて570万kWほどで、ENELによる保有株式を除いた残りの34%は同国政府が保有している。モホフチェ3、4号機計画の遅れは、ENELによる株式売却プログラムのネックとなっており、完成日程は当初予定から4年遅れの2016年と17年になる模様。工期の延長により生じた追加経費は少なくとも8億ユーロに達すると伝えられている。


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