東京電力・原子力改革委 安全文化浸透へ提言まとめ 使用済み燃料取出し完了を「大きな前進」と評価

東京電力の原子力安全改革に関する取組を監督する外部有識者委員会は1日、会合を開き、5項目の提言をまとめ同社取締役会に答申した。

提言ではまず、経営層から現場第一線の管理者クラスに至る組織全体に、原子力安全文化を浸透させ、さらに高い水準を目指す姿を常態化することが重要とした上で、同社によるこれまでの活動を評価する一方、「原子力安全改革の進捗レベルを定量的に測る重要評価指標(KPI)」を確実に実施するよう求めた。

また、コミュニケーションに関しては、福島第一原子力発電所事故の教訓、廃炉作業の状況などを、海外に積極的に発信している点を評価している。

廃炉工程では、4号機使用済み燃料取り出し完了を、「大きな前進」と評価する一方、放射性物質の飛散防止対策やモニタリング体制の整備、汚染水処理について、一層の努力が必要と指摘している。

同日、東京電力本店で記者会見に臨んだ委員長のデール・クライン氏(元米国原子力規制委員長)は、次回の委員会会合を柏崎刈羽で開催し、可能であれば住民からの質問に答える場も設けたいなどと述べた。


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