加速器など協力強化 KEK・CERN 互いに分室設置

高エネルギー加速器研究機構(KEK)はこのほど、欧州合同原子核研究機関(CERN)との協力強化にむけて互いに分室を設置することを発表した。将来の加速器プロジェクト及び関連する科学事業に向けた共通の課題を追求するのがねらい。両機関は共同研究開発のために滞在する互いの研究者に対して便宜を図るとともに、両機関に設置される分室が研究支援業務に携わることとなる。

CERNとKEKの協力はLHCプロジェクトへの日本の参加が始まった1994年からで、現在は2009年に締結された協定の下に進められている。この親協定の下に今回の分室機能を規定した補遺が追加され、11月21日に両機関の代表による署名で分室発足の運びとなった。

CERNとKEKは現在、LHC及びそのアップグレード、LHC入射器、ILC、CLIC、J‐PARC、ATF/ATF2等の加速器プロジェクトにおいて共同研究開発を推進しており、今後もFCCやSuperKEKBでの協力が予定されている。今回の分室発足が両機関の連携を一層強化するものと期待される。

CERNに設置されるKEK分室長には徳宿克夫教授(KEK素粒子原子核研究所副所長)が、KEKに設置されるCERN分室長にはスタイナー・スタプネス博士(CERNリニアコライダーグループ長)が就任し、各機関3名で構成される調整委員会の協力を得て分室活動を監督する。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで