【年頭所感】世界第一線の人材を 文部科学大臣 下村 博文

明けましておめでとうございます。平成27年の年頭に当たり、謹んで御挨拶申し上げます。

昨年は、教育委員会制度改革や大学のガバナンス改革など、戦後長く続いてきた教育制度の抜本的な改革を成し遂げ、内閣の最重要課題の1つである教育再生の実現を着実に進めることができました。また、科学技術イノベーションの創出、2020年東京オリンピック・パラリンピックをはじめとするスポーツや文化芸術の振興に向けた様々な改革にも取り組み、実りの多い1年となりました。本年も、文部科学大臣並びに教育再生及び東京オリンピック・パラリンピックを担当する大臣として、各般の改革に全力で取り組んでまいります。

2020年は、東日本大震災からの復興を世界に示すとともに、日本が今後進む方向性を形作る大きな転換点です。

原子力災害からの復興のため、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉を円滑に進めていくことが重要です。昨年、私のイニシアティブで作成し、公表した「廃止措置等研究開発の加速プラン」に沿って、国内外の英知を結集し、廃炉に関する研究開発や人材育成に係る取組を加速させるとともに、引き続き、大学や研究機関等が行う基盤研究及び人材育成の取組を支援してまいります。原子力損害賠償については、迅速、公平かつ適正な賠償に万全を期してまいります。

科学技術イノベーションは成長戦略の重要な柱です。我が国が持続的な成長を続けるための鍵は、イノベーションの創出による国際競争力の強化と、それを支える人材の育成です。その中核を担う文部科学省として、世界で最もイノベーションに適した国を目指し、第5期科学技術基本計画の策定に資する総合的な政策を早急に取りまとめます。

様々な分野の基盤となる新たな世界トップレベルのスーパーコンピュータの開発や研究施設・設備の産学官への幅広い利用を着実に進めます。健康・医療戦略推進本部の方針に基づき、iPS細胞をはじめとした医療分野の研究開発を強力に推進します。理化学研究所については、抜本的な改革を実行し、その力を十全に発揮するよう努めます。

「宇宙・航空」については、新型基幹ロケット、国際宇宙ステーション計画・宇宙探査、安全保障・防災に貢献する衛星、次世代航空機技術等の研究開発に取り組みます。

原子力については、原子力研究開発機構が安全を最優先とし国民に信頼される組織となるよう指導してまいります。特に「もんじゅ」については、安全に運転管理する体制を整え、廃棄物の減容化や高速増殖炉の研究成果の取りまとめにつながるよう取り組みます。高温ガス炉や高レベル放射性廃棄物処分の研究開発、ITER計画等についても着実に進めてまいります。

海洋資源調査研究や、環境エネルギー、地震・防災、構造材料の研究開発を進めます。

科学技術イノベーションの中核を担うのは「人材」です。特に、グローバルに活躍できる人材の確保が重要です。初等中等教育段階からの人材育成、多様なキャリアパスの整備、出産・育児等に係る女性研究者などへの支援に加え、国際的な頭脳循環における世界第一線級の人材確保に係る取組を強化します。研究不正の防止についても着実に取り組みます。

お断り 編集上、一部割愛させていただきました。


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