美浜事故からの取組聴く 規制委 関電トップと意見交換

原子力規制委員会は13日、臨時会議を開き、関西電力の八木誠社長らと意見交換を行った。

この中で、八木社長は、04年8月の美浜3号機事故発生を原点とし、福島第一原子力発電所事故を経て、14年6月の自主的安全性向上ロードマップに至るまでの同社における原子力の安全性向上活動の変遷について説明した。美浜事故から10年を迎えた14年は、社内ウェッブサイト上に関連する資料を取りまとめたライブラリーを開設したほか、体験談などを交え、「事故は決して過去のものではないこと」を、新入社員も含めて認識させる階層別研修も開始するなど、事故の風化防止の取組を強化したことなどを述べた。

これについて、田中俊一委員長が、「国民一般からは見えていないのでは」などと問うと、八木社長は、「安心した途端に崩れ始める」として、過信せず広く社会から理解を得られるよう不断の安全性向上に努めていく姿勢を示した。

また、更田豊志委員からは、八木社長が電気事業連合会会長でもあることをとらえ、「電力各社の横並びが安全性向上を阻害していないか」との質問があったのに対し、八木社長は、「各社がプラントの特性を見極めリスクを低減するよう最大限努力する必要がある」などと応えた。

さらに、更田委員が、米国の原子力エネルギー協会(NEI)と原子力規制委員会(NRC)との関係を例に、「公開の場で当事者が率直に意見を出し合うべき」として、規制制度の改善に向けた意見陳述を促すと、八木社長は、既に「審査書案」取りまとめに至った川内、高浜の審査内容を整理し、できるだけ後続のプラントの審査が効率的に進行するよう求めるなどした。


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