NDAに全体的管理責任 英国 セラフィールド・サイト

英エネルギー気候変動省(DECC)は13日、カンブリア地方にある英国最大の原子力複合施設セラフィールド・サイトの管理方式を変更し、原子力デコミッショニング機構(NDA)の管理下に戻すとの方針を発表した。

現在、サイト認可会社(SLC)として同サイトの管理運営・廃止措置業務に当たっているセラフィールド社をNDAの所有とする一方、セラフィールド社の親会社組織(PBO)となるために民間企業連合の「ニュークリア・マネージメント・パートナーズ(NMP)社」がNDAと2008年に結んだ契約が打ち切られることになる。

NMP社は仏アレバ社とAECOM社、AMECフォスター・ウィーラー社による合弁事業体で、総額90億ポンドと言われる17年間のPBO契約をNDAの競争入札で獲得した。過去6年間の同サイトにおける業務の進展状況は良好と評価されており、DECCはNDAが昨年4月から同契約の第2期間に入ることを了承していた。

しかし、同サイトは再処理工場や廃棄物貯蔵施設、廃止措置中の軍用原子力施設も多く立地することから、その複雑さと技術的な不確定要素は他のNDAサイトより一層大きな課題を露呈しているとNDAは指摘。PBOを通じて同サイト全体の管理責任を民間部門に移しておく方式は、あまり適切ではないとの結論に達していた。

このようにNDAとセラフィールド社との関係を簡素化すべきだとするNDA勧告に基づき、政府は同サイトを安全かつ経費に見合った最良の方法で廃止措置と浄化を行うという目的を果たすため、民間部門から親会社としてではなく、サプライヤーをセラフィールド社の戦略的パートナーとして選定する。それはセラフィールド社によるサイトでの全活動の管理に必要な助言と支援を得るのが目的。作業の全レベルでサプライ・チェーンと連携、主要な作業プログラムは民間部門が競争意識を持って継続していくことになるという。

DECCのE.ディビー大臣は、ロンドン・オリンピックやクロスレール鉄道などの複雑なインフラ・プロジェクトで同様の方式が成功したことから、セラフィールドでも同様の結果を確信しているとコメント。NDAとセラフィールド社が関係各社と緊密に協力して、今後12〜15か月の間に新たな体制への移行を完了するとの見通しを示した。


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