バッテンフォール社、組織改革 スウェーデン

スウェーデン最大手の国営電力であるバッテンフォール社は15日、欧州の一企業としての立場を堅持するとともに、低炭素な発電に集中していくという将来戦略実現の重要ステップとして、組織体制を大幅に改革し、新たな経営管理チームを発足させると発表した。従来の地域単位の運営を改め、風力など6つの事業分野毎にユニットを新設する方針。4月1日から新体制でスタートする計画だ。

バッテンフォール社の現体制は、(1)北欧(2)その他の欧州大陸諸国と英国――の2地域に分かれており、それぞれに様々な事業ユニットを配して活動している。しかし、コスト効率と持続性が求められる厳しい市場環境の下では、進めていく事業の選択と集中は不可避と同社は判断。まず総合的な経営戦略を描いた上で、M.ホール社長兼CEOの下に戦略開発や人的資源など4つの経営機能チームを配置する。その上で、欧州各国に跨がる(1)熱供給(2)風力(3)発電(水力と原子力)(4)配電(5)顧客・サービス(6)市場――の6事業で部門を編成。ドイツにある褐炭採掘・発電事業は売却先を捜す前提で別ユニット扱いにするとしている。

このように風力だけで一部門を新設するなどの特徴から、分析家達は、同社が石炭火力から手を引くとともに原子力の比重を削減、風力を中心とする再生可能エネルギーに大きくシフトしつつあると見ている。


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