軽水炉導入で原子力法改正 カザフスタン

軽水炉の導入計画を進めているカザフスタン政府は15日、15年前に制定された既存の原子力法を改正し、原子力発電分野における政府や所管官庁、企業間の相互関係を明確に規定するなどの方針を明らかにした。

改正法案の内容はエネルギー省副大臣が議会下院で説明しており、原子力の平和利用における適切な安全レベルや一般大衆と環境の効果的な保護と保全を保証するのが目的。現行の原子力法が制定されて以降、原子力利用関連の技術・安全要件、その他の重要要件が更新されてきたのに加えて、新たに参加した関連国際条約と国内規制との不整合を是正する必要が生じたとしている。

具体的にはまず、放射線障害のカテゴリーを設定。これにより、原子力施設のタイプ毎に危険の度合いに応じた要件を制定するとともに、その要件区分の範囲を正確に特定する。また、人材の認証制度を導入して、原子力施設における事故の発生を防止し、安全性の改善を図る考えだ。

カザフでは旧ソ連邦時代に建てられた電熱併給・海水脱塩用の商業高速増殖炉「BN−350」(出力15万kW)が1999年まで稼働していた。今後は生産量で世界第1位という豊富なウラン資源を背景に、出力30万〜120万kWのロシア型PWR(VVER)を建設するロシアとの協力覚書を昨年5月に調印。10月には建設と運転に関する政府間協力協定案に仮調印した。


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