ハンヒキビ計画契約企業 公表 露ロスアトム社

ロシアのロスアトム社傘下の国際展開促進・マーケティング会社であるルスアトム・オーバーシーズ社は21日、フィンランドのフェンノボイマ社から受注したハンヒキビ原子力発電所建設計画について、昨年末に締結した主な供給契約の概要を発表した。

入札の末にTITAN2(T2)社が請け負った作業は多岐にわたる。すなわち、(1)サイト準備(2)建設と据え付け(3)長納期品目を除く原子炉系統と発電機関係用のすべての資機材・機器の設計・調達、すべての補助施設の設置(4)建屋と道路の建設(5)公共インフラとエンジニアリング・ネットワークの整備(6)計装制御(I&C)系機器の設計納入(7)サイトの景観改善――だ。

一方、ロスアトム社の機器製造部門であるアトムエネルゴマシ社は、原子力蒸気供給系機器など主要な長納期品目を供給する。同社の複数の子会社も機器製造や詳細な設計書作成、機器の設置・起動の監視サービス等に責任を担う。

また、ロシア型PWR(VVER)の中心的な設計開発企業であるギドロプレス社は原子炉系統機器の基本設計および関連サービスを担当。ただし、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)から認可を得るために作成する最初の設計書一式については、昨年10月にアトムプロエクト社に作成契約を発注している。

ルスアトム社によると、同プロジェクトでは地元フィンランドのみならず国際的な原子力関係企業からの参加も歓迎している。T2社は、ハンヒキビに採用される120万kW級VVERシリーズ「AES−2006」の参照設計炉であるレニングラード原発II期工事建設に携わるなど、ハンヒキビで要求される高度に技術的な作業も実施が可能。そこでルスアトム社はまず同社に対し、出来るだけ早急に地元の潜在的な候補企業と直接交渉を始めるよう要請。これらの企業について収集した情報をT2社と共有していく。

T2社は現在、これら企業の選定手続きの準備を進めており、フィンランドとロシアの法制に準じた入札要項を作成している。完成文書は3月初旬にT2社のウェブサイトに掲載予定で、同月末には建設サイトのピュハヨキにT2社事務所を開設。関心のあるフィンランド企業向けに第1回目の説明セミナーを開催することになる。


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