超伝導導体製作完了 原子力機構 ITER開発 トロイダル磁場コイル

日本原子力研究開発機構は26日、ITERで主要機器とされるトロイダル磁場コイルに用いる高性能超伝導導体の製作を完了したと発表した。トロイダル磁場コイルは、高さ14mのD形のコイル18個をドーナツ形に丸く並べ、数億度のプラズマを閉じ込めるための強力な磁場を発生させる。

トロイダル磁場コイルの導体製作で、日本は、量産技術を確立させ、ITER参加7極中、最も多い25%を担当し、07年から世界に先駆けて製作した導体は、総延長22km、総重量215トンにも達した。

大電流を流す導体は、直径0.82mmのニオブ3スズを用いた超伝導素線900本と銅線522本を撚り合わせて、前例のない最長760mの長尺ケーブルにし、これをジャケットと呼ばれる金属管に引き込んで外径を圧縮して製作するが、長尺化に伴ううねり抑制を、原子力機構と新日鉄住金エンジニアリングとの協力で克服するなど、技術課題を解決しながら開発された。

導体の良好な性能もITER機構により承認されており、原子力機構では、今回、国際合意したスケジュールに基づき製作が完了したことについて、「ITER建設における重要なマイルストーンの達成」だとしている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで