ECが「エネルギー同盟」起ち上げ 輸入依存減など結束強化

欧州連合の執行機関である欧州委員会(EC)は4日、域内単一エネルギー市場の完成や欧州におけるエネルギー生産・輸送・消費を改革する抜本的な措置の1つとして、「先進的な温暖化防止策をともなうエネルギー同盟」創設に向けて活動を開始したと発表した。ECは昨年11月にJ.‐C.ユンカー氏が新委員長に就任し、同同盟は新生ECのプロジェクト・チームの1つ。同日の初協議では、欧州が温暖化防止で世界を牽引しつつ、エネルギー源の多様化により供給面で自立を目指すとの方向性を定め、25日にも枠組戦略を採択することになった。

発表によるとEU諸国はエネルギーの55%を輸入に依存しており、域内エネルギー市場も統一からはほど遠い。欧州エネルギー同盟起ち上げの機運はこうした背景の下にあり、正に時宜を得たタイミングだとユンカー委員長は説明。エネルギー・セキュリティが欧州における重要な政治的課題である一方、年末のパリCOP21で2020年以降の意欲的な気候変動枠組を締結するため、欧州理事会が昨年10月に域内の新たな目標値で合意した事実に言及した。

委員長はまた、EUが一層競争力のある、確実かつ持続可能なエネルギー政策に到達するために、必要なことを行う特別な意欲や政治的・財政的な余地を最近の原油価格低下がもたらしたと明言。欧州諸国には非EU諸国にもエネルギー市場を開放しつつ輸入依存を減らす必要があり、そのためには域内の資源を蓄え、インフラを統合し、結束して第三国との交渉に当たる必要があるとの見解を表明した。


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