CT被ばく線量新システム開始 放医研

放射線医学総合研究所は、日本原子力研究開発機構、大分県立看護大学との共同研究により、CT撮影における被ばく線量システムの改良版「WAZA―ARIv2」を開発し、1月30日より医療関係者への本格運用を開始した。

放医研ら三者では既に、12年よりCT撮影の被ばく線量システム「WAZA―ARI」の試験運用を行っているが、このほど開発された改良版は、(1)利用機関の被ばく線量データを収集し全体のCT被ばく線量分布情報を提供する(2)患者の年齢や体格をより綿密に考慮した被ばく線量の計算を可能とする――機能を新たに追加している。

「WAZA―ARIv2」では、成人で、日本人の体格に関する統計データに基づき男女それぞれ4つの体格、未成年で、0、1、5、10、15歳の5つの年齢から条件を設定することで、特に、放射線感受性の高い若年層に対し、より正確な被ばく線量計算ができるようになっている。

利用者の登録により蓄積された被ばく線量データは、各機関が自施設の撮影条件最適化に利用できるほか、放医研による適切な管理のもと、日本のCT被ばく線量の統計データとして、放射線防護のための調査研究にも供される。


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