原子力機構、7年の中長期目標 文科、原子力委に

文部科学省は3日、原子力委員会に、日本原子力研究開発機構の次期中長期目標の検討状況について報告した。行政改革に伴い、同機構は15年度より、独立行政法人から「国立研究開発法人」となり、現行の5年間の中期目標は、15年4月から22年3月にわたる7年間の中長期目標として主務大臣が定めることとなる。

文科省の説明によると、原子力機構の業務運営にあたっては、安全確保を最優先事項とするとともに核セキュリティを強化するとし、(1)東京電力福島第一原子力発電所事故の対処に係る研究開発(2)原子力安全規制行政等への技術的支援及びそのための安全研究(3)原子力の安全性向上のための研究開発及び核不拡散・核セキュリティに資する活動(4)原子力の基礎基盤研究と人材育成(5)高速炉の研究開発(6)核燃料サイクルに係る再処理、燃料製造及び放射性廃棄物の処理処分に関する研究開発等(7)核融合研究開発(8)産学官との連携強化と社会からの信頼の確保のための活動――において、研究開発成果の最大化と業務の質の向上を図るとした。また、業務運営の効率化や財務内容の改善などについても見直していくとしている。

これを受け、原子力委員会は10日の定例会合で、中長期目標の策定に対する見解を発表。福島第一原子力発電所事故の対応への取組を評価するとともに、さらなる安全性と効率性の向上を図ることで廃止措置等の早期実現、環境回復への貢献を期待するとした。また、機構改革の目指すところを組織に定着させることを意識し、引き続き自己責任による改善の取組を進めるべきとした。さらに、原子力分野でのイノベーションとプロダクトを生み出していくという目標を掲げ、産官学との共同作業などを進めていくことも要望した。


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