ベトナム規制当局と協力覚書 GEH社

GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社は10日、BWR設計技術に関する理解を深めてもらうことを目的とした了解覚書(MOU)をベトナム放射線防護・原子力安全機構(VARANS)と締結したと発表した。この覚書に基づきGEH社は原子力安全分析分野で同国の人材育成を支援することになるが、主な狙いは2030年までに1000万kW以上の原子力発電設備建設を計画する同国に、ESBWR(高経済性・単純化BWR)を始めとする同社製BWRを提案していくことにある。

覚書への調印は、GEH社のD.ダーラム上級副社長とVARANSのV.H.タン事務局長がハノイの科学技術省で行った。ベトナムにおける原子力インフラ整備支援の一環として、GEH社は技術や安全性の評価面でVARANSスタッフの能力向上をサポートする予定で、同社がベトナムと過去数か月間に締結した協力合意としては3件目。昨秋、同社はハノイ科学技術大学、電力大学と原子力エンジニアリング分野で協力覚書を締結しており、この夏にもこれらに基づいて米ノースカロライナ州にある同社本部に両大学からの実習生を受け入れる計画だ。

受動的安全系を備えた第3世代プラスのESBWR設計には昨年9月、米原子力規制委員会(NRC)が設計認証(DC)を発給し、同国で今後建設される標準設計の1つとなった。また、翌10月には米越原子力協力協定が発効。米国の原子力企業からベトナムへの機器輸出が可能になっており、GEH社は世界で最も安全な原子炉設計のサプライヤーとして、ベトナムが急増するエネルギー需要を満たすのを支援する理想的な立場にあると強調している。


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