ドール1号機 送電網から解列 ベルギー

ベルギーのエレクトラベル社は11日、同国最古の原子炉であるドール原子力発電所1号機(PWR、46万kW)を15日付けで送電網から外し、燃料はプールで永久管理するために抜き取るとの計画を発表した。

原子炉の運転期間を40年に制限した法令に従ったものだが、昨年10月に発足した中道右派4党による新政権は電力安定供給の観点から、2015年中の閉鎖が決まっていたドール1、2号機の運転期間を2025年まで10年延長すると12月に表明。その後、エレクトラベル社はエネルギー省、親会社のGDFスエズ社とこの件について前向きに協議を重ねてきたが、延長活動には6億〜7億ユーロの投資が必要になる点に注意を喚起したと説明している。

現地の報道によると、同社は15日に予定通りドール1号機を解列したものの、政府らとの協議はまだ継続中で、再稼働の可能性は残されているとの見方も有力だ。

同炉を含め、1975年に運開したドール2号機、チアンジュ1号機の運転期間は、その時々の政権によって方針が二転三転した。運転期間の制限や新設の禁止といった脱原子力政策は2003年当時の同国政府が決定しており、その後の政権は条件付きでこれら3基の運転期間の10年延長を認めた。しかし、福島第一原発事故を受け、前政権は「延長を認めるのはチアンジュ1号機のみ」との裁定を下していた。


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