離れた位置で検出可 農研機構 クリアパルス 空間線量率換算測定

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は5日、クリアパルスと共同で、農地やその周辺に含まれる放射性物質からのガンマ線を離れた位置で検出し、空間線量率に換算する測定装置を開発したと発表した。これにより、除染を行う事業者が、除染前や除染後の放射性物質の分布を迅速・簡単に把握することができるという。

開発した放射線測定装置は従来の携帯用空間線量率計に比べ高感度で、短時間で測定を行うことができる。また、GPSによる位置測定とリンクさせることができ、ラジコン移動車、気球、無人ヘリ等に搭載し、連続的に測定することによって、調査範囲の放射性物質の分布を面的に把握することができる。

測定した値を空間線量率分布に変換する機能を備えているので、放射線測定の専門家でなくても、簡易に測定することが可能という。

福島第一原子力発電所の事故に伴い、拡散した放射性物質の除染が必要となっており、その除染時には、除染前と除染後の放射性物質の分布を把握することが重要だ。空間線量率を測定する方法は、現地での結果の確認が可能な簡便な手法だが、携帯用空間線量率計を用いると1地点あたり1分程度の測定時間が必要で、多くの地点の測定を行うことは、作業時間の関係で難しく、効率的な測定技術が求められていた。

農地除染事業の効果判定で、新たな除染技術の評価に役立つことが期待されるとともに、遠隔測定が可能なことから、より高線量な地域や、ため池など、測定者が立ち入りしにくい箇所の空間線量率分布の測定に利用されることも期待されるが、今後クリアパルスから販売される予定だ。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで