放射線橋かけ教材 サンルックス JAEA共同 4月より販売開始

プラスチックレンズメーカーのサンルックスと日本原子力研究開発機構は12日、放射線橋かけ技術を使って作製した形状記憶樹脂を、放射線の作用を理解するための学校実験教材として初めて開発し、4月より学校教材の販売メーカーから販売されることを発表した。

樹脂やプラスチックなどの高分子材料に放射線を照射すると高分子の一部が壊れて他の分子と結合しやすい部分ができ、この部分が橋かけ点となって糊のように接着することで網目状の構造になる。放射線橋かけ技術は、この化学反応を利用して高分子材料の強度や耐熱性などを改善するもので、電線ケーブルの被覆材、熱収縮チューブや自動車のラジアルタイヤの製造などの様々な産業で利用され、暮らしに役立っている。

同教材は、生分解性樹脂であるポリカプロラクトン樹脂に形状記憶性を持たせて開発したもの。放射線橋かけを施したものと施さないものの2種類があり、放射線橋かけを施していない樹脂は60度程度の温水中で溶けるが、放射線橋かけした樹脂は、温水中で溶けずに引っ張ると伸び、室温では固まって、再び温水に浸けることで元の形状に戻る様子が観察できる。


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