ハンガリーと人材育成覚書 ロシア 増設協力の一環として

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は18日、ハンガリーの人材省と原子力分野の人材育成協力で了解覚書(MOU)を締結したと発表した。

昨年1月に両国間で結ばれた原子力平和利用分野における協力合意に基づくもので、この合意によりロシアはハンガリー唯一の原子力発電所であるパクシュ原発(50万kW級ロシア型PWR4基)に建て替え用の大型原子炉2基を増設する計画に協力予定。総工費の8割を低金利融資することになっており、今回の協力は資金調達支援に加えて、これらの新規炉の設計・建設・運転に従事する新世代の優秀な人材の養成支援が狙いだ。

覚書の調印式典にはロシアのV.プーチン大統領がハンガリーのV.オルバーン首相とともに同席。ロスアトム社のS.キリエンコ総裁とハンガリーのZ.バログ人材大臣が署名した。具体的な協力項目は、教育訓練、教育的科学活動、共同訓練プログラムなどで、原子力コミュニティに高度な能力を持った人材が輩出可能となるよう関連する学部生や大学院生、博士課程の学生、学会員の交換プログラムを促進することになる。

バログ大臣は、今回の覚書によって学術界や科学分野における両国間の長年の協力を強化する法的な枠組がもたらされるだけでなく、両国間の良き伝統が継続されると指摘した。これまでにハンガリーの数多くの原子力エンジニアがロシアで学位を取得し、パクシュ原発の安全な運転に貢献した事実にも言及。両国の関係機関における活動を調整していく準備は出来ていると強調した。


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