ドール3など新たなヒビ ベルギー 検査機器調整で判明

ベルギーの連邦原子力規制局(FANC)は13日、2012年6月に圧力容器からヒビの兆候が検知されたため昨年3月から停止中のドール原子力発電所3号機とチアンジュ2号機について、昨年手順を修正して検査を実施した結果、ヒビの数はそれぞれ1万3047本と3149本に増加したと発表した。新たに検知したヒビの兆候は、2012年と13年に確認したヒビと同種のもので、圧力容器の同じ部分にあったとしている。

両炉で毛状ヒビが検知された原因として、FANCは2013年、材料中の元素組成が偏り、水素が集まって生じた「白点」の存在を指摘。事業者のエレクトラベル社は、両炉の安全運転を保証するために立てた仮説を検証するため、FANCが指示した中期的な検査計画に沿い(1)超音波探傷検査技術(2)水素白点のある鋼材の物質特性(3)水素白点のある圧力容器の構造的健全性――について検査を実行した。

しかし昨年春、(2)について行ったテストでは、専門家達の予想に反して白点のある母材が理論モデルよりも強く放射線影響を受けるとの暫定結果が出た。また、(1)に関しては水素白点によるすべてのヒビが正確に検知されるよう、圧力容器の溶接部や割れを検査するために導入されていた探傷検査機の検出信号レベルを低くめに調整。この条件で昨年実施したテストで、新たなヒビを発見するに至ったとしている。

同社は現在も、圧力容器母材の物質特性や予想に反したテスト結果に関する研究を継続中。仏国とドイツから水素白点のある試料を入手し、国内のBR2試験炉で4回目の照射試験を実施しており、結果は4月にも判明するとしている。


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