規制委、安全文化をめぐり 廣瀬東電社長と意見交換 地元との信頼関係 「一から出直し」へ

原子力規制委員会は2月27日、東京電力の廣瀬直己社長との意見交換を公開の場で行った。

廣瀬社長は、福島第一原子力発電所事故の根本原因を振り返り、安全意識、技術力、対話力の向上を図ることを目指して、13年に制定した「原子力安全改革プラン」の進捗状況について説明し、その中で、米国原子力発電運転協会による原子力安全文化に関する標準を活用した取組などを述べた。

規制委員からは、最近の福島第一での作業員死亡事故や排水路流出問題などを巡り、労働環境の改善に関する意見があった。今後の人材確保を田中知委員が尋ねたのに対し、廣瀬社長は、福島第一廃止措置の完遂に向け「人は極めて大事」とし、経営トップとしてコミットメントしていく考えを強調した。

意見交換終了後、廣瀬社長は、記者団のインタビューに応じ、今回、規制委員から出された意見に対しては「一つ一つしっかり受け止める」としたほか、排水路流出問題で損なわれた地元との信頼関係については、「一から出直し」と反省の意を表した上で、リスクコミュニケーションにおける「社会との尺度のズレ」を是正するよう努める考えを述べるなどした。


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