日本の核セキュリティに評価 IAEA/IPPAS 国内初のミッション

日本における核セキュリティ対策の実施状況レビューを行うIAEAの国際核物質防護諮問サービス(IPPAS)ミッション(団長=ジョセフ・サンドバル氏<米国サンディア国立研究所>)が2月27日、全日程を終了し、報告書案を原子力規制委員会に提示した。

IPPASミッションチームは、核物質防護施設を保有する加盟国からの要望に基づき、政府関係者や事業者からのヒアリングを通じて、核物質防護条約やIAEA技術文書に準拠した防護措置を実施する上で必要な助言を行うもので、日本への受入れは初めてとなる。

今回のミッションは、「国の核セキュリティ体制」、「3つの原子力施設(日本原子力研究開発機構プルトニウム燃料技術開発センター、同高速炉臨界実験装置、中部電力浜岡原子力発電所)における核セキュリティの実施状況」、「コンピュータセキュリティの実施」をレビューするため、2月16日から約2週間、現地視察、ヒアリングなどを実施した。

終了後、ミッションチームからは、「日本の核セキュリティ体制、原子力施設および核物質の防護措置実施状況は、全体として強固で持続可能なものであり、また近年顕著に向上している」などと評価する見解が、施設については、良好事例とともに、継続的な改善のための勧告や助言が示された。

27日に行われたミッション閉会で、IAEAのフローリー事務次長は、「このIPPASミッション成果を踏まえ、日本は必要なフォローアップ措置を講じるとの意思表明があったことを喜ばしく思う」との所感を述べた。

規制委員会の田中俊一委員長は、「今後、最終的にミッションから示される勧告事項や助言事項を十分に精査・検討し、その対応に向けて取り組んでいく」などとコメントした。


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