SMART炉2基導入へ サウジが韓国と小型炉で覚書

サウジアラビアの原子力導入計画推進機関である「アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市(KACARE)」は3日、国内で2基以上のモジュール式中小型炉の建設を目指した了解覚書を韓国の未来創造科学部と調印した。韓国原子力研究所(KAERI)が中東諸国向けに設計した「SMART」炉の建設可能性を審査するため、2018年まで3年間の予備調査を実施するほか、人的資源の共同構築で協力。関連の学術研究活動も促進していく方針だ。

同覚書の調印は、韓国の朴槿恵大統領が中東4か国を歴訪する途中、サウジで1月に即位したばかりのサルマン新国王と会談した後に首都リヤドで行われた。

KAERIの発表によると、サウジアラビアは2040年までに1200万〜1800万kWの原子力発電設備導入を計画しており、両国は2011年に原子力の平和利用分野で締結した二国間協力合意の下、現在の協力活動と将来的な協働方法、および方針を協議。サウジ側の欲する原子力分野の科学技術協力と韓国側が期待する2基・20億ドル相当の原子炉取引実現に加えて、SMART炉技術の商業化により共同で世界市場への参入を狙うとしている。

SMART炉は海水脱塩と電熱併給が可能なシステム一体型先進モジュラーPWRで、熱出力と電気出力はそれぞれ33万kWと10万kW。韓国原子力安全委は12年7月にSMART炉を標準設計として承認した。また、韓国政府は20年までに約10基を海外輸出する目標を08年に公表しており、サウジ向けの商談がまとまれば初輸出ということになる。


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