冷却水の流動状況可視化 テスコ 電中研にCT装置システム納入

工業用X線装置・非破壊検査装置販売会社のテスコは、試験体を透過した放射線の量をデジタル化した電気信号として取り出して画像化するX線CT装置デジタルラジオグラフィシステムを電力中央研究所(電中研)横須賀地区に納入した。米バリアンメディカルシステムズ社製の超高出力X線CT/DRシステムを元に、リアルタイムラジオグラフィ機能を追加したもの。複雑な構造体の内部を透過する能力をもつ高出力X線システムを求める電中研の要望に応え、テスコとバリアンメディカルシステムズがカスタマイズし最適化して開発した。

同システムによって、燃料棒の実長と同寸の模擬燃料の全長にわたって液膜の形成や露出を3次元で観察でき、冷却水の流動状況の把握を可能とした。模擬燃料集合体の周囲をX線源と検出器が回転および上下動することによりデータを取得し内部を可視化できる。

電力中央研究所では、軽水炉模擬燃料冷却限界実験設備の一部として原子炉内流動を模擬した実験設備で冷却水流動状況を把握し、評価手法の精緻化を図って軽水炉の安全性高度化に役立てようとしている。


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