AP1000審査が佳境 英・新設計画用の設計認証

東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は12日、英国の原子力規制局(ONR)が実施しているAP1000設計の包括的設計審査(GDA)が完了段階に入ったと発表した。

最終的にONRが設計承認確認書(DAC)を、また環境省(EA)が設計容認声明書(SoDA)を発行するのは2017年1月頃になるとの見通しも表明。NuGen社が同設計の採用炉3基を建設するムーアサイド原発プロジェクトは大きく前進するとしている。

2007年に始まったAP1000のGDA審査は11年12月に第4ステップを終え、暫定的なDACとSoDAが発給された。しかしこの時点でWH社は、同設計を採用する顧客が確保できるまで審査を中断するよう規制当局に要請した。昨年、東芝が筆頭株主となったNuGen社は、24年の初号機完成を目指して3基・340万kWのAP1000をセラフィールド近郊ムーアサイドで建設すると発表。ONRも審査再開に向け昨年7月に審査チームを再招集していた。

完了段階の作業としてWH社は、同設計の未解決課題51件に取り組むための詳細な技術情報を規制当局に提供する。同社のJ.ベンジャミン上級副社長は同設計を採用した原子炉が米国と中国で合計8基が建設中であるほか、ブルガリアでも昨年、コズロドイ7号機増設計画に正式に採用された事実に言及。これらからの経験や教訓もムーアサイド・プロジェクトに生かしていきたいとの抱負を述べた。

GDAでは12年、アレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)に初DACとSoDAが発給済みだ。


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