サマー2、3増設計画が遅延 米SCE&G社

米サウスカロライナ州でV.C.サマー原子力発電所2、3号機を増設しているサウスカロライナ・エレクトリック&ガス(SCE&G)社は12日、建設作業と資本コストに関するスケジュールの改定を同州の公益事業委員会(PSC)に請願した。

この事態は、建設工事を請け負ったウェスチングハウス社とCB&I社の企業連合から、工期の遅れとそれに伴うコスト拡大を示唆する情報がもたらされたことに起因する。同企業連合との交渉は継続中であるものの、PSCから承認された作業工程のいくつかは不測の事態等により許容される完了期間を過ぎており、スケジュール改定の請願が改めて必要になったと同社は説明。工期の遅延とコスト拡大に関する同企業連合へのいかなる請求権も放棄する気は無いと明言している。

請願書によると、予想される2、3号機の完成日程はそれぞれ、当初予定から18か月遅れの2019年6月と20年6月。SCE&G社が分担する資本コストの増加額は2007年のドル価格で6億9800万ドルだが、このうち5億3900万ドルは工期の遅延と関連コスト増が原因だ。これにより、SCE&G社が負担するプロジェクト全体の資本コストは約52億ドル、見積後の単価変動による調整予備費や補完額を加えれば68億ドルにのぼるとしている。

SCE&G社の親会社スキャナ社のK.マーシュ会長兼CEOは、建設工事の進捗状況について次のように説明。2号機用大型機器の85%は現地に到着しており、両炉の格納容器ボトムヘッドも設置済み。2号機用格納容器の垂直壁になる3つの鋼製リングもほぼ完成し、最初のリングは設置が完了した。

しかし、工期が遅延している主な原因としてAP1000設備のサブモジュールの設計・製造に関わる課題を指摘。これらの責任の所在に関する交渉を企業連合と続けていくと強調した。


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