規制委が安全試験計画承認 WH社のSMR開発進展

東芝傘下のウェスチングハウス(WH)社は17日、開発中の小型モジュール炉(W‐SMR)で実施する安全試験プログラムについて、米原子力規制委員会(NRC)から承認を得たと発表した。これによって同SMRの概念設計が技術的に成熟していることが確認されたことになり、米国標準設計の1つとしての認証(DC)取得に向けて審査時間が大幅に短縮されると歓迎している。

米国では世界の民生用原子力分野で米国がリーダーシップを取るべく、オバマ政権が米国の独自技術によるSMR開発を促進している。WH社も電気出力22.5万kWの一体型PWRでDCを取得するため、申請前の予備段階活動として小口径配管破断LOCA(冷却材喪失事故)に関する認可課題報告書(LTR)を2012年4月にNRCに提出。NRCは2月27日付けの書簡で、NRCによる同LTRの受入れ根拠を示した最終安全評価報告書(TRSE)を作成したと伝えてきたもの。

同LTRはWH社内外の専門家小委員会が作成しており、W‐SMRで万が一、小破断LOCAが発生した場合の現象を特定。その上で、同事象発生時に原子炉を安全に停止させるシステムの検証試験プログラムを明記していた。同社はまた、W‐SMR設計では圧力容器や大型のループ配管を貫通する構造物が存在しないため、中破断LOCAと大破断LOCAの発生可能性は排除されていると指摘した。

同社によると、W‐SMRの大きな長所は、すでにDC取得済みのAP1000の盤石な設計基盤に基づき開発されている点で、AP1000設計で確証された機器や受動的安全系を使用。SMR市場の将来的な成熟を見据え、数年に及んだ試験・分析を適用しつつW‐SMR開発を進めていることを強調した。


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