「ポーランドの原子力導入計画に日本の原子炉メーカー3社が関心」:高木経産副大臣が発言

2015年5月7日

©ポーランド財務省

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 ポーランドを訪問していた高木陽介経済産業省副大臣は5月5日、日立、東芝、三菱重工の3社がポーランド初の原子力発電所建設計画に非常に高い関心を示しており、日本政府も同プロジェクトへの財政支援や関連の人材育成等を支援する用意があると発言した。ポーランド財務省のウェブサイトで明らかになったもので、同省のZ.ガウリク財務副大臣との会談後に述べられたとしている(=写真)。

 それによると高木副大臣は、これらの原子炉メーカーが最良かつ最も安全な原子力技術を保有していると保証。その上で、ポーランド・プロジェクトの円滑な推進に向けて貢献可能であることを確信すると断言した。ガウリク財務副大臣もこれを受け、「日本企業の関心を歓迎する」とコメント。同プロジェクトの原子炉技術やエンジニアリング、資材調達・建設サービス、核燃料供給、および戦略的連携の可能性や資金調達などについて、今年後半に計画している包括的な入札手続きに日本サプライヤーが参加してくれることを期待するとした。また、日本政府の信用機関もプロジェクトに関与可能であると高木副大臣が断言したことは喜ばしいと述べ、ポーランド側からは国営電力のポーランド・エネルギー・グループ(PGE)のほかに電力大手のTAURON社とENEA社、および銅鉱採掘企業のKGHM社といった一流企業がプロジェクト会社に出資していることを強調した。

 ポーランドでは1980年代に40万kW級のロシア型PWR(VVER)をジャルノビエツで建設する計画が進展したが、チェルノブイリ事故発生を受けて同計画は90年代に頓挫。政府はその後、エネルギー源の多様化と温室効果ガスの排出削減のために原子力の導入は妥当と判断し、2009年に改めて原子力開発ロードマップを策定した。2つのサイトで合計600万kWの原子力発電設備建設を目指す内容で、昨年1月の改定版ロードマップでは、最初の100万kW分を2024年までに完成させると設定。採用技術は第三世代か第三世代プラスの設計を対象に選定準備を進めており、フランス電力や米GE日立ニュークリア社、ウェスチングハウス(WH)社などと協力覚書を締結済み。日本の3大メーカーとは、2010年に経済省のH.トロヤノフスカ原子力全権委員が来日した際に懇談の場を設けている。新しい導入計画において、関係者はVVER採用の可能性を否定している。