スウェーデン:リングハルス1、2号機が早期閉鎖へ
スウェーデンのバッテンフォール社は4月28日、所有する原子力発電所の中では最も古いリングハルス1、2号機(90万kW級のBWRとPWR)の運転期間を短縮し、2018年~2020年に閉鎖するとの方針を発表した。1975年と76年に運転開始した両炉はともに2025年までの運転が予定されていた。正式な閉鎖日程は同発電所を30%所有する独E.ON社の同意を得た上で、同発電所取締役会が今後、決めることになる。
両炉を早期閉鎖する理由として、同社は採算性の低下と発電コストの上昇を挙げた。今後数年間は市場で電力価格の上昇が見込めない上、新たな安全要件を満たすための投資や原子力発電に課されている税金が重荷になっていると説明した。同社の発電事業部門長も「良好に機能している原子炉の閉鎖はもちろん残念だが、これはビジネス上の判断であり、時として避けがたいことだ」とコメント。残りの所有原子炉であるフォルスマルク発電所(100万kW級BWR3基)とリングハルス3、4号機の合計5基は現行プラン通り、2040年代初頭まで60年間稼働させるとしている。
スウェーデンでは昨年10月、反原子力の立場を取る中道左派・連立政権が発足した。緑の党など所属政党によるエネルギー政策上の合意項目のなかでは、原子力発電所の安全要件を一層厳しくするとともに、一層多額の廃棄物処分基金を徴収するなどの方針を表明。同年12月には環境省がスウェーデン放射線安全庁(SSM)の提案を受け、放射性廃棄物基金に対する原子力発電からの徴収料を倍額にすることを決定していた。