スペインのガローニャ原発、再稼働に向けた検査結果は良好
スペインのニュクレノール社は4月13日、2013年に正式閉鎖したサンタマリア・デ・ガローニャ原子力発電所(BWR、46.6万kW)を再稼働させるために実施した包括的な原子炉容器検査で、「安全運転可能な良好な状態にある」との結果が出ていたことを近隣自治体の代表者らに伝えた。
同社は2013年初頭から原子力発電事業者に課せられる予定だった税金を回避するため、ガローニャ発電所の運転許可を更新せず2012年12月に操業を停止。翌13年7月の運転認可満了時に正式閉鎖とした。しかし2014年2月、安全性や放射線防護以外の理由で閉鎖した原発について、運転終了後一年以内であれば認可の更新申請を可能とする王国令を内閣が承認。同社は2031年まで合計60年間の運転認可更新を昨年5月に申請していた。
同申請の審査にあたり、スペイン原子力安全委員会(CSN)は追加の要件をニュクレノール社に提示。また同炉の原子炉容器は、ベルギーで毛状ヒビの兆候が検知されたドール3号機等と同じRDM社製であることから、原子炉容器の点検も指示していた。
ニュクレノール社によると、昨年11月と12月にスペインのテクニカトム社と同炉を建設した米国GE日立社の専門家を含む40名以上の検査チームが1000時間以上かけて、同炉の原子炉容器表面や溶接部900万か所を新型超音波システムや水中ロボットを使って検査。その結果、「原子炉容器および炉内機器に製造時の欠陥は見受けられず、米国機械学会(ASME)の圧力容器規格にも適合。安全運転が可能な良好な状態にある」との結論を3月26日付けで公表し、CSNにも通達していた。