ハンガリー:パクシュⅡ期工事建設でロシア企業がハンガリー支社設置

2015年5月27日

 ハンガリー唯一の原子力発電設備であるパクシュ発電所で5、6号機の建設工事を請け負ったロシアのNIAEP―ASE社は5月25日、同国中央部に位置するパクシュ町に支社を設置した。2014年1月の両国政府の合意から始まった同増設計画は、両炉の2023年と25年の完成に向けて早くも準備活動が本格化する。

 ロシア政府は同計画に対し、総工費の8割にあたる100億ユーロ(1兆3,000億円)を低金利融資すると約束。NIAEP―ASE社の親会社であるロスアトム社によると、ハンガリー支社の設置、および建設サイトでの測地調査開始は昨年12月に両国の担当企業間で結ばれたエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を実行に移す最初のステップになる。

 同社はまた、ロシアによる欧州諸国への本格的な原子力協力という意味で同計画の重要性は計り知れないと強調。5、6号機の運転ライフ・サイクル全般を通じて、あらゆる技術を低価格で提案することを保証するとした。ロシアは2013年、フィンランドのフェンノボイマ社からハンヒキビ原子力発電所1号機の建設工事を受注したものの、ブルガリアで受注していたベレネ原子力発電所建設計画は2012年に打ち切られたほか、入札手続きに参加していたチェコのテメリン3、4号機増設計画も昨年4月に中止されている。