バングラデシュの原子力人材育成支援でロシアがワークショップ
ロシアの原子力総合企業ロスアトム社傘下の全ロ原子力発電所運転研究所(VNIIAES)は4月2日、ロシア型PWR(VVER)を輸出予定のバングラデシュにおける原子力人材育成を支援するため、訓練セミナー・ワークショップを開催したと発表した。
バングラデシュは2013年10月、首都ダッカから160km離れたルプールで100万kWのVVERを2基建設するため、ロスアトム社と技術契約を締結。環境影響調査やエンジニアリングなどの準備作業にロシアが5億ドルを融資することで政府間協定も結んでいる。
今回のワークショップは3月24日から26日までの3日間、モスクワにあるVNIIAES内で開催。バングラデシュ側からは原子力委員会の所属メンバーや科学技術の専門家のほか、科学技術副大臣などが参加した。議題としては、原子力発電所における世界の良好事例をいかにして国内に組み入れるか、また、人材育成計画の策定に関するロシアの規制要件などを取り上げており、具体的には、原子力インフラ人材や建設業者、および発電所スタッフの選抜と訓練、訓練施設用の機器、バングラデシュの学生をロシアの大学で教育する件などを議論した。
ロスアトム社としては、国外の原発建設プロジェクトを成功に導くには、相手国における系統立てた人材育成計画、そしてこれを原発建設スケジュールと調和させることが重要と認識している。このため、VNIIAESは相手国における計画策定支援用の情報システム「OCTOPUS」を開発し、ロスアトム社子会社に同システムの使用方法を教示。バングラデシュのみならず、ベトナムやヨルダンなど、ロシアが協力する原子力導入国で綿密な人材育成計画の策定が可能となるよう、同システムを活用する考えだ。