世界39の原子力学会:原子力で地球温暖化防止に取り組むと宣言
「原子力発電プラントの進歩に関する国際会議(ICAPP)2015」が5月3日から4日間、フランスのニースで開催され、世界5大陸の36か国と3団体の原子力科学者5万人を代表して、39の原子力学会が「原子力によって気候変動に立ち向かう」と誓約する憲章に署名した。
同憲章は、原子力を気候変動に対抗できる低炭素エネルギーの1つとして認識させる世界的イニシアチブ「気候変動のための原子力(Nuclear for Climate)」の主要要素という位置付け。原子力関係のエンジニアや科学者達は昨年夏から、この草の根イニシアチブに乗り出していた。当初の参加者はフランス、欧州、および米国の原子力学会のみだったが、今や多くの組織の代表者や総裁が同イニシアチブに賛同。「我々は気候変動問題の解決に原子力が重要な役割を果たすと誇りを持って信じる」と宣言するに至っており、日本からは日本原子力学会の藤田玲子会長が署名した。
彼らは、「CO2排出量を抑えつつエネルギー需要を満たすため、世界各国が原子力を含めて利用可能な低炭素技術を最大限に活用する必要がある」と強調。年末にパリで開催される国連気候変動枠組条約・締約国会議(COP)で、原子力を新たな対策枠組の低炭素エネルギー・オプションの1つと認識し、その他の低炭素技術と同様、気候変動基金の対象に含めるよう訴えている。