中国:第3世代の小型炉設計でIAEAの安全審査 実施

2015年4月22日

 中国核工業集団公司(CNNC)は4月21日、独自ブランドとして開発した出力10万kWのモジュール式PWR「ACP100」を国際原子力機関(IAEA)の一般原子炉安全レビュー(GRSR)にかけることにしたと発表した。GRSRは認可段階に達していない新設計の安全性を、IAEAの国際的な専門家チームが加盟国からの要請によりIAEAの安全基準に照らして評価するサービス。CNNCは100万kW級のACP1000がGRSRに合格したことを昨年12月に明らかにしており、今後国内で建設するACP100についても、安全性や信頼性に関してIAEAの認証を得たい考えだ。

©CNNC

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 IAEAとの合意文書には、CNNCの雷増光・首席エンジニアとIAEAのD.フローリー原子力安全・セキュリティ局担当次長が16日に調印(=写真)。審査は7月から7か月間の予定で開始され、同設計の安全性評価と環境分析報告書の作成、およびその他の側面に関する評価も行われる。

 CNNCによると、ACP100は第3世代の技術的特性を備える炉として設計され、受動的安全系を装備。過酷事故の発生防止と影響緩和策も取られている。また、小型であるため人口密集地や内陸部、離島でも使用可能であるほか、電熱併給および海水脱塩にも利用できる。すでに国内の複数の地点で建設が検討されており、福建省莆田市では2基の実証炉の建設計画が今年中にスタートすると見られている。