加カメコ社とインド原子力省がウラン供給契約締結
世界大手のウラン生産企業であるカナダのカメコ社とインド原子力省(DAE)は4月15日、カナダ産のウラン精鉱3,000トンを今年から2020年までインドに供給する長期契約を締結した。2013年9月に発効した印加両国間の原子力協力協定(NCA)に基づくもので、契約額は現在のウラン価格で3億5,000万カナダドル以上に相当。インドのN.モディ首相による初のカナダ公式訪問に合わせて調印されており、インドで稼働する民生用加圧重水炉(PHWR)や、建設・計画中の原子炉の燃料製造に使われることになる。
カナダは1960年代にインドに供給した重水減速研究炉が核開発に利用されたため、同国への原子力支援を一時期停止していた。NCAでは国際原子力機関(IAEA)の保障措置下にあるインドの施設に対してのみ、カナダ産の規制核物質や機器および技術の輸出を許可。平和利用に限定されているかはNCAの実施取り決め(AA)に従って、カナダ原子力安全委員会が監視するとしている。
カメコ社の発表によると、インドの原子燃料市場は世界でも2番目の速さで拡大している。21基・約600万kWの原子力発電所(うち18基はPHWR)で総発電量の3%を賄っているのに加え、6基・430万kWを現在建設中で、2032年までに同国の原子力発電設備は4,500万kWに達する見通し。対インドでは初という今回の契約は、このようにダイナミックに拡大するインドのウラン市場への参入に道を拓くもので、同市場はカメコ社の事業戦略に重要な役割を果たすとしている。