米国:使用済み燃料の集中中間貯蔵施設建設でWCS社が仏アレバ社と合意
米国の廃棄物処分事業会社であるウェイスト・コントロール・スペシャリスツ(WCS)社は5月20日、米テキサス州アンドリュース郡にある同社の所有サイトに米国中の原子力発電所から出る使用済み燃料の集中中間貯蔵施設(CISF)を設計・建設・運転するため、フランスのアレバ社を専属一次請負業者に選定したと発表した。アンドリュース郡の理事会が今年1月に同施設の建設支持を決議した後、WCS社の親会社であるVALHI社が2月に意向表明書を米原子力規制委員会(NRC)に提出していた計画で、2016年4月にも認可申請書を提出するとしている。
米国では商用炉から出る使用済み燃料は各サイト内で貯蔵しているほか、イリノイ州モリスにある中間貯蔵施設で同州内の商業炉の使用済み燃料をサイト外貯蔵中。政府の有識者特別(ブルーリボン)委員会は2012年、「地元の合意ベースで最終深地層処分場の立地を進めつつ、複数の集中中間貯蔵施設を建設する」ことを勧告しており、米エネルギー省(DOE)はこうした勧告を盛り込んだ管理処分戦略を翌2013年1月に発表した。WCS社の計画はこうした動きを受けたもので、4月にはニューメキシコ州でも2つの郡がホルテック社の計画する中間貯蔵施設建設に協力する覚書を結んでいる。
WCS社の計画では、アンドリュース郡西部の14,900エーカー(約6,000ヘクタール)の敷地内にCISFを建設し、使用済み燃料、およびクラスCを超える低レベル廃棄物(GTCC)を貯蔵。アレバ社からは、各発電所とCISF間の廃棄物輸送支援サービスや認可申請手続きの支援も受けることになる。また、両社はオプションとして、高レベル廃棄物とGTCCを撤去・輸送・中間貯蔵する一括サービスをDOEに提案することでも合意。CISFによって、操業中および閉鎖済みの原子力発電所に点在する使用済み燃料を統合するとともに、廃棄物輸送システムを開発・実施する能力も有した、柔軟性のある国家的な使用済み燃料管理システムがもたらされると強調している。
なお、アレバ社は5月21日、CISF開発支援に協力して取り組むため、米ジョージア州のエンジニアリング・コンサルティング企業NACインターナショナル社と合意した。