米規制委・安全諮問委がSTP増設計画へのCOL発給を勧告

2015年4月10日

 東芝が米国で参加しているサウステキサスプロジェクト(STP)原子力発電所3、4号機増設計画について、米原子力規制委員会(NRC)の原子炉安全諮問委員会(ACRS)が建設・運転一括認可(COL)の発給をNRCに勧告していた事実が4月9日に公表された。同計画ではCOL審査のうち環境影響評価が2011年に完了、安全性評価に関する最終報告書(FSER)は9月30日に発行予定となっており、同計画の関係者らは2016年にもCOLが発給されることを期待している。

 この勧告はACRSがS.バーンズNRC委員長に宛てた2月19日付けの書簡報告書に含まれていたもので、COL審査における安全性評価の結論として明記された。それによると、「公衆の健康と安全を過度のリスクにさらすことなく3、4号機を建設・運転できるという合理的確証がある」としており、FSERの発行に続いてCOL発給が承認されるべきだと明言。また、同計画に採用されるABWR設計と建設サイトは、耐震性の再評価や設計外事象に対する影響緩和戦略など、福島第一事故後の短期タスクフォース勧告に基づく要件を満たしているとした。一方、COL発給に際してスタッフによる一層の取り組みが必要な課題も併記。タービンミサイル事故に関する最終分析や火災被害分析の徹底評価などを特定している。

 同計画のCOLは2007年にSTP原子力発電会社(STPNOC)がNRCに申請。同社は2009年に135万kWのABWRを2基建設するエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を東芝と締結したが、COLの筆頭申請者は2011年1月、同計画用合弁事業体として東芝と米NRGエナジー社が12対88の比率で設立したNINA社に変更された。その後の福島第一事故を受けて、東京電力は予定していた同計画への出資参加取りやめを決定。NRGエナジー社も計画打ち切りを表明したことから、東芝がCOL審査継続のための経費を肩代わりしていた。