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コバルト60汚染でスクラップ業者1人死亡、汚染除去継続中(デリー)

2010年5月25日


デリー近郊マヤプリのスクラップ業者が47日、放射線障害を発症したことから、同業者の店や周辺地域の放射能汚染(Co-60)調査を緊急に実施、その後除染も行い、インド原子力規制委員会(AERB)とエネルギー省は9日、「放射線レベルはバックグランド並みになった」と安全宣言を出した。


 事件後、さらに6名の放射線障害患者も確認され、国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル4相当の事故となった。最初の患者は426日に多臓器不全で死亡した。

 

 AERBは引き続き関係業者と協力し、汚染された地域であるマヤプリ地区の除染活動を実施している。一方、グリーンピースが514日行った調査では、地面に座った状態で200-500マイクロ・シーベルト/時の被曝を受けるホットスポットを数ヵ所で確認した。この値は健康に顕著な影響を与えるものではないが、数時間以内で公衆への年間線量限度である1000マイクロ・シーベルトを超えてしまう。ちなみに、死亡した患者は年間線量限度の3700倍、その他の患者は400倍を被曝した。


 AERBはグリーンピースの調査に対してコメントはしていないが、51516日の両日で周辺地域のCo-60 の塵はすべて取り除いたとしている。これに対しグリーンピースは、「規制当局の対応は、世界の安全規制レベルからほど遠いものだ。AERBは、状況についての包括的評価と今後の除染計画を発表しなければならない」と非難した。


 Co-60は医療や工業利用で重要な役割を果たしているが、取り扱いや廃棄に関しては厳しく管理されており、放射線防護と放射性廃棄物処分の2つの規則によって規制されている。


 今回の汚染事故の発端は、デリー大学化学科が、減衰したCo-60 線源を含むガンマセルを不適切に廃棄したためである。ガンマセルを入手したスクラップ業者が、放射線機器とわからずに切断解体したために、汚染物質がマヤプリ地区に拡散した。同大学は今回の違反行為の説明と放射線源利用禁止の処分(しばらくの間)を受けた。


 ガンマセルのインベントリーの残りの量から推測し、AERBは、全ての線源を回収したとしている。回収した線源は、原子力省がナローラ原子力発電所で保管している。

 

(2010520日付WNN)

(原産協会・国際部まとめ)