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海洋希釈放出が「現実的」 原子力学会 汚染水トリチウム対策

2013年8月29日

日本原子力学会の福島発電所事故調査委員会(委員長=田中知・東京大学教授)は21日、事故炉の滞留水循環冷却で発生する汚染水で課題となっているトリチウム処理に関する対応策をまとめた。

福島第一発電所事故炉では、建屋地下階に滞留している高濃度の放射性物質を含んだ滞留水を処理して原子炉への注水冷却に利用しているが、この過程で発生する汚染水中のトリチウムは既存の設備では除去されない。今回調査では、トリチウム生成量を定量化し、現状で循環している汚染水とタンクに貯蔵される余剰汚染水に含まれるトリチウムの総量を、原子炉での全生成量の3分の1程度と推定、今後、長期にわたり、現状と同程度のトリチウム溶出が続く可能性を示した。一方で、トリチウム除去のために必要となる同位体分離法は、工学的規模での導入が難しいとして、現状、考えうる対応として、(1)サイト内貯蔵(2)トリチウム除去と濃縮(3)希釈放出――を掲げ、自然界のバックグランドに近い濃度となるように放流可能なことから、事前の地元への十分な説明を前提に、海水中への希釈放出を、最も技術的確実性が高く、環境リスクの小さい「現実的」なものとの考えをまとめた。

<後略>